Beethoven’s Seventh Symphony the ‘apotheosis of the dance’

Esa Pekka Salonen
「第5番」と「第6番」がそうであったように、この「第7番」とつぎの「第8番」は、やはり双生児のようなかたちで生み出された。1812年のことである。このとき、ベートーヴェンは、42歳という男盛りだった。1812年といえば、ナポレオンが世界一の“大陸軍”と誇る60万の大軍を率いてロシアに進攻し、ロシア軍の巧妙な焦土作戦とゲリラと、厳しい冬将軍にあって惨敗を喫した年である。そして、この敗戦を境に、ナポレオンという巨大な星は、次第にその輝きを失っていくのである。ロシア軍に徹底的にたたかれたナポレオン軍は、翌年の6月にはスペインのヴィットリアで名将ウェリントンの指揮するイギリス軍にまた敗れ、10月には、ライプチッヒで連合軍の総攻撃にあってついに完敗し、まもなくエルバ島に流されるのである。ベートーヴェンの創作生活を見ると、「第6番」を完成してからこの「第7番」を書くまでの4年間は、比較的作品の数が少ない。それは、彼の創作力が減退したからではなく、その間にウィーンがナポレオン軍に占領されたりして(1809年)、思うように仕事ができなかったからである。いかに剛毅なベートーヴェンでも、ナポレオンの大暴れの前にはどうにもならなかったわけである。

ベッカーは、「《第7番》は高いところへの登攀を表し、《第8番》は、やっと登りつめた頂上での幸福な状態をあらわしている」と述べているが、この一文は、双生児でありながらその性格のまったく異なる「第7番」と「第8番」の特徴を見事に言い当てていると思う。また、ロマン・ロランは、「この曲の中には、ほかの作品には類例がないほど率直で自由な力があらわれている。それは超人的精神力の途方もない濫費、さよう、濫費のたのしみである。横溢し氾濫する大河の楽しみなのである……」と言っているが、たしかにこの曲には、運命を足蹴りするような逞しさと、強烈なエネルギーの爆発とベートーヴェンの性格の一面としてよく論じられるディオニソス的(ギリシャ神話に出てくる荒々しい酒の神で、感性的熱狂を示す。光明の神アポロに対比してしばしば用いられる)なものが著しくあらわれている。

リストは、この曲を「リズムの神化」と言った。またワーグナーは、「舞踏の神化」とも言っているが、このように、この曲のいわば心張り棒となっているのは、全曲を貫く、その生命力に溢れるリズムである。この曲が初演されたとき、口の悪い批評家や保守派の連中は、「まるで酔っぱらいの作品だ」とか、「ベートーヴェンは酒場でもってこの曲を書いたんだろう」といってけなしたが、そのように非難されるのも当然だったのである。なぜかというと、リズムというものをこれほど重用し、これほど絶妙に展開させた交響曲というのは、それまでに無かったからである。彼らはこの曲を聞いて、明らかに面食らったのであった。しかし、一般の評判は大変良く、1813年の12月8日にハナウ戦役傷病兵のための慈善音楽会で初演されて以来、ごく短いあいだに何回も上演され、よく第2楽章がアンコールされたという。

第1楽章ポコ・ソステヌート〜ヴィヴァーチェは、長大な序奏部を持ったソナタ形式で、リーツラーは「あとにも先にも、ベートーヴェンはこの第1楽章のような、最高度の含蓄をもった1つのリズムによって、ほとんど独占的に支配されるような音楽を書いたことが無かった。」と述べている。
第2楽章アレグレットは、全曲を通じて最も有名な楽章で、厳粛だが、やや暗い情緒を持った三部形式で書かれている。
第3楽章プレストは、粗野な活気に溢れたスケルツォ。
第4楽章アレグロ・コン・ブリオは、ベートーヴェンのディオニソス的性格の一番よく現れた部分で、まさに激情の乱舞といってよい。ベートーヴェンはあるとき、「わたしは、人類のために芳醇な酒をつくるバッカスだ。人々に、精神の神々しい酔い心地を与えるのは、このおれなんだ」といったそうだが、この楽章など、その言葉をそのまま地でいっているようである。

モノーラルをステレオ化したフルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、圧倒的な力感をもった素晴らしい演奏である。生き物のように踊るリズム、奔流のような音の流れ、全てのものを焼き尽くすかのような精神的燃焼、とにかくこれほどディオニソス的な面を強烈に打ち出した演奏というのは、ほかにない。音質は決して良いとは言えないが、充実した内容がそれを十分補っている。
このほか、録音の新しいところでは、シュミット=イッセルシュテット指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と、ワルター指揮、コロムビア交響楽団の2枚を推す。シュミット=イッセルシュテット盤は、リズムを特に強調することなく、自然の流れを尊んだ演奏で、ウィーン・フィルの長所がフルに発揮されている。ワルター盤は、全体に幅の広いおおらかな表情だが、第3、第4楽章あたりは、相当熱っぽい。しかしワルターは、こういう曲でも決して特別な構えをせず、ごく自然にとうとうと流しながら興奮の渦巻きをつくっている。
もうひとつ、これはモノーラルだが、トスカニーニ指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団が、SP時代にこの曲最高の名演奏と言われたものなので、この堅牢な構築と、ダイナミックな表情は比類のないものだ。予算があったら、歴史的なレコードとして、ぜひ揃えておくと良い。なお、“トスカニーニの再来”と評判の高いイタリアの新鋭アバード指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏が、やや青臭いが若い世代の間では評判が良い。

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